重回帰分析の活用
我々が、日々仕事の中で、コスト評価が必要なる場面が多々ある。コスト評価にも色々な方法があるが、一般的なものは以、下の2つである。一つはコスト積み上げ方式と呼ばれる考え方である。これは正に製品を作る過程で消費する費用を累積するやり方である。例えばある部品の材料費を計算して、加工費を計算して、経費を計算する方法である。もう一つの考え方はVEで言うところの機能コストの考え方である。これは、モノを作る過程で消費される費用は一切考慮せず、あくまでもその製品の機能をコストで評価する考え方である。やり方としては、類似製品群の現有価格を目的変数としてその製品のもついくつかの機能パラメータを説明変数として重回帰分析を行ったものである。今後のモノづくりを考えると、一つはAIやロボットのように単純に製造工程が判らない、ブラックボックス的な製品が増えると思われる。もう一つは、グローバルな市場になるので、材料費や人件費も日本の物指しでは測れない状況が増えてくる。よって積み上げ方式のコストテーブルは構築やメンテナンスが非常に大変である。一方、重回帰式を活用した統計的なコストテーブルは、ブラックボックスであろうと途上国で作った商品であろうと容易に機能コストを評価する事が可能です。またこの考え方は、分析母数が類似機能部品群であるためにコストテーブル機能以外に共通化・モジュール化の検討や、目標コスト設定、割高購入部品の抽出等々の用途に活用する事も可能である。結論として、業務を遂行する上で有効なツールの活用は大いなる武器になり得る筈である。